ホタルの乱舞に息をのむ 秘湯「福元屋」
これからの時期にピッタリ!!期間限定で楽しむことが出来る「蛍見温泉」のある秘湯「福元屋」の温泉レポートです。
5月下旬から6月中旬にかけてしか見ることのできない「ホタル」
その「ホタル」を温泉に入りながら見れる素晴らしい場所が大分県にあるのです。
珍しい洞窟風呂で、ホタルも人もしっかり混浴
そう、この福元屋旅館の温泉は、「混浴」です。
混浴がはじめての人は「ちょっと恥ずかしい…。」と躊躇ってしまいますよね。
でも、いざ入ってみると開放感のある雰囲気で、ほとんど恥ずかしさは感じません。
熊本の黒川温泉が、私の混浴デビューだったのですが…まぁ、混浴って慣れです(笑)というか、男性の皆さんが女性に遠慮してくれることが多いので申し訳ない気持ちの方が大きいです、今は。
そもそも、湯あみを巻いて入れる温泉も多いので「裸を見られる!」なんてことはありません。
この福元屋さんの混浴もバスタオルOKだったので、しっかり巻いて入らせていただきました。
脱衣所がちょっと開放的すぎて恥ずかしかったデス(T_T)
温泉に入るとすぐ薄暗くなり、周りもあまり見えなくなります。
そして、ホタルもちらほら舞いはじめました。
温泉!?それとも川??蛍見の湯は超ぬる湯!!
とにかくぬる湯。38度と書いていましたが、体感的には36度くらいだったように思います。川沿い?いや、川の中にある夏季限定の「蛍見の湯」は、川と温泉の堺がよくわかりませんでした(笑)
石で囲まれている場所が温泉らしいのですが、少し温かい川に浸かっていた感じです。お風呂で飲んでいたビール(飲み物OKなんです!)川に流されそうになるというハプニングが起きたくらい「川」でした。
それだけ自然と一体化している分、手を伸ばせば触れられる距離までホタルがやってきます。
ほわっと明るい光。不規則に消えたり光ったり。動きながら点灯するやさしい光に思わず黙り込んでしまいました。
静寂の中の温泉と舞うホタルに、神秘的なものを感じました。
本当にあった!温泉に浮かぶ「お酒用」のテーブル?
さきほど「飲んでいたビール」と書きましたが、ここ福元屋さんでは温泉に入ったままビールが!お酒がっ!!!飲めてしまうのです!!
「飲んでください!」と言わんばかりに準備された浮かぶテーブルがありました。
ドラマとか、漫画でしかみたことなかったのですが、本当にあるんですね。
温泉は底から自噴しているので、お湯も新鮮。フレッシュなお湯に浸かりながらグビッと1杯は幸せすぎる…。
蛍にプロポーズされちゃう!?ロマンティックな温泉で一夜を過ごす
ホタルの生態について全く詳しくなかったのです、調べてみました。
夜、光りながら飛んでいるゲンジホタルはほとんどがオスです。メスは草や木の葉にじっととまって、小さな光を出しています。光り方には、プロポーズのための光、刺激された時の光、敵を驚かせるための光の3種類あると言われています。
なんと光りながら飛んでいるのは、オスで「プロポーズ」をしているとのこと。
なんてロマンティック!
そんなオスホタル君は、私の元にも寄ってきてくれました。
急なホタルからの求愛に驚いて、「きゃ!」と叩いてしまいましたが…。
もう、人の身体とかおかまいなしにホタルがひと休みしてくれるので驚きです。
蛍イルミネーションの美しさは、想像を超える!
まさかのホタルにプロポーズされてしまったわけですが…。
たたき落とされたホタルは…温泉へ落ちてしまい、瀕死状態で混浴することになりました。
可哀想でしたが、水面で溺れるホタルの光もまたキレイでした(ヒドイ)
手ですくい、手のひらの中でぼんやりと光るホタル。想像を超えるホタルの光の演出でした。ぼんやりと優しい光。季節限定の光。
ホタルの灯す光は、飛び交う姿も、じっと佇みじわじわと光る様子も、人工的なイルミネーションとは全く違いました。
「ホタルの乱舞」という言葉に、数百匹というホタルが飛び交う様子を想像していましたが…実際のところ、数はそんなに多くなかったと思います。数十匹のホタルの舞でした。
それでも充分すぎるくらい明るく美しい幻想的な世界でした。
私のイマジネーションを超える「蛍イルミネーション」の美しさに、つい息をひそめてしまいました。
20時から21時がオススメ!ホタルが乱舞する時間帯がある。
自然の光が照らす贅沢な時間は短く、ホタルが舞う時間にも限りがあるそうです。
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1回目が20時~21時
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2回目が23時前後
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3回目が2時前後
という時間帯をねらって入浴するのをオススメします。
月明かりがなく曇っていて、蒸し暑く風の無い日に多く見られます。
ホタルは、飛ぶ時間帯も、多く飛び交う気候も限られているようなので要チェックです。
私は、20時~21時の間で温泉に入ったからなのか、蛍見温泉を満喫することが出来ました。
21時を過ぎた頃から、ホタルの数は確かに減っていったように思います。
自然が演出する特別なひと時に遭遇出来たことは、素敵な想い出になりました。
一期一湯ですねぇ。
古さも汚れもクモの巣も気にならない!福元屋の歴史に魅力あり
秘湯と呼ばれるだけあって、やはり温泉と宿そのものは決してキレイとはいえませんでした。
食事をする場所もまわりには少なく、コンビニもありませんでした。カエルが跳ねていたり、クモの巣がはっていたり…。
普段の私なら泣いて帰っているような場所でした。
それでも、これだけの贅沢ができる場所を私は他にあまり知りません。
自然の美しさ、日本の文化、守られている古き良き空間は、苦手意識さえ克服できてしまうような場所でした。
人の手を加えずに、人を喜ばせることができる温泉。
自然がつくりだす壮大なスケールに、ただただ心が震えました。
ありがとうございました、と一礼して帰りたくなるような魅力が「福元屋」の温泉には溢れていました。
また、今年もお世話になろうと思います。
特別な一夜をあなたも是非、過ごしてみてください。

おんせん県生まれのおんせん県育ち。生粋の温泉大好き娘。温泉スペシャリスト。
別府八十八湯温泉名人であり、九州八十八湯温泉泉人。
OFR48『まみりん』として温泉アイドル活動中。